+注意+


この作品は、僅かにBL、801的表現が入ります。
いえ、あくまでもギャグなのですが……。

BL、801系が苦手な方。
ギャグであろうとそういう表現を見たくないと言う方。

この作品はなかったということにして、お帰りください

ギャグなら許す
または
BLとか801とか全然平気だぜ☆

という寛容かつ強靭(笑)な精神をお持ちの方はどうぞお進みください

いや、あくまでもギャグと言う事で……はい。










だから……

何で私まで巻き込まれてんの?!










悪夢の二月十四日(バレンタイン)局地戦  in 氷帝学園中等部










「だ・か・ら!あんた達がさっさと出ていってくれればいいのよ!!」


目の前にある机をバシッと叩き訴える。
正面に並んでいるのは氷帝の有名人たち。
左から順に言うと……。

日吉、鳳、宍戸、跡部、向日、忍足、芥川。
計7名。


「あ〜ん?何で俺様が出ていく必要があるんだ?」


偉そうに仰られたのは、ど真ん中にいる跡部だった。
テニス部部長の跡部サマサマだ。

サマを二つつけたから尊敬してるとか、自分より相手が偉いと思ってるとかそういう訳じゃない。
態度がサマサマなのだ。


「ここに閉じ込められてるのはアンタらが原因でしょ?!」


そう、原因は彼らにある。

もうすぐ授業が始まろうというのに部室から出られないのも、今日大半の女子たちが殺気立っているのも、その女子たちによって部室が完全に包囲されているのも、私が毎朝早く来なくちゃいけないのも、空が青いのも、郵便ポストが赤いもの、全てが彼らの所為なのだ!

とまあ、後半は冗談だとしても前半は事実である。

現実問題この部室は包囲されている。
カーテンを閉め切って、外の様子は中から見えない。
が、現在部室付近に潜伏していると思われる女子の人数は、500を軽く超えている。
一体どこから湧いてきたのかというと……。

幼等部から高等部まで、ほぼ全校の女子が集まったのだ。

恐ろしい事この上ない。
しかも去年からは鳳の誕生日も加わってしまい……。

なんとその数一昨年の1,4倍!!!(当社比)

ここから無事に脱出するのは不可能に近い。
ってか、普通に考えれば不可能だ。

極限状態に追い込まれ、どうにか自分だけでも無事に帰ろうと、それぞれに思考を巡らせる。


「鳳が出れば、半分くらいになるんじゃないか?」


鳳、誕生日だし。

そんな物騒な事を一番最初に考えたのは、日吉だった。
全員の視線が日吉に集まる。
日吉は表情を変えない。


「その手があったなぁ。」
「そうだ、長太郎!行け!!」
「そんな〜。無理っスよ〜!!」


のほほんと賛成したのは忍足。
今にも窓から鳳を押し出しそうな向日。
鳳は必死に否定している。

でもね、皆さん。
窓とかドアとか開けた途端(とたん)、女子がなだれ込んでくる気がしてならないんだよね。


「却下。ドアとか窓とか開けたらアウト。」
「え〜。」
「開けた次の瞬間、地獄を見るよ?」
「あー、そうだな。少しでも隙間出来たら、そっから身体捻(ね)じ込んで入ってくる。」


万策(ばんさく)尽きた、といいたそうに全員が沈黙する。
この場にいるテニス部メンバー全員が項垂(うなだ)れている。

そんな様子をぐるりと見て、ちょっとした事を思いつく。
息を吸って努めて明るく言う。


「さて、ここでちゃんから提案です。」
「うっわ。自分でちゃん付けしたよ。」
「あかんあかん。今突っ込んでも聞いとらん。」


向日と忍足を睨んで制する。
さっとペンケースから色違いのペン2本、鞄から小さなメモ帳を出す。
同じ形に切って番号を書く。


「何をしているんですか?」
「まあ、見てなさいって。」


1〜3までの数字を書いた紙を四つに折る。
机の上で七枚の紙を混ぜる。

コレで準備完了。


「さて皆さん、一枚ずつ引いてくださいな。」
「何で引かなきゃいけないの〜?」
「引いてから説明するから、黙って、引・け!」
「何か後が怖いんですけど……。」


ジローの発言を却下して、全員にくじを引かせる。
ぶつぶつ言いながらも、まず日吉が一枚引く。
それに続いて他の6人もくじを引く。
全員が引き終わったのを確認して声をかける。


「じゃあ、1番を引いた人、手ぇ上げて。」


スッと二年生二人の手が上がった。
二人で顔を見合わせている。


「はい次、2番の人。」
「……。」
「あ、俺も。」


次に手が上がったのは、髪を切ってから人気急増中の宍戸とジロー。
跡部を挟んで座っていたので、跡部とジローに入れ替わってもらった。


「んで、残り三人が3番かな?」
「せやな。」
「で、一体何を仕出かすつもりだ?おい、!!」


喚く跡部に無視する私。

そして私は全員に宣言する。
ここを脱出する為の方法を……。


「これから皆さんに、ラブラブになってもらいます。」
「は?」
「え?」
「何?」


疑問の声があちこちで上がる。

突然ラブラブになれと言われただけでは、状況を把握できないだろう。
と言うより、読めてるやつが居たら私が嫌だ。

誰一人として話が読めないまま、私の説明は続く。


「同じ番号を引いた人同士で、恋人同士の振りをしてもらいま〜す。あ、跡部のところは三角関係の演技しようね。他はラブラブバカップルぶりを女子たちに見せ付けてあげてください。もちろん演技で、ね。」


数秒後、男たちの叫びが木霊した……。










鳳&日吉サイド










05.02.14