上を見上げると
そこには確かに
緑の木漏れ日があった

私の横にはルックがいて
その顔が微笑んでいるように見えた

それが……
それが現実になることは……



ないだろう……










破壊者2










朝目が覚めると、いつもどうりの白い天井が頭上にある。
いつもどうりの朝。





しかし、その日は違った。





ルックが部屋に入ってきて、私を外に連れ出す。
外に連れ出された。
そこには、私と同じオッズアイの男がいた。


「貴様がか?」
「そうだ。貴様は誰だ。」


似たもの同士……いや、同じ存在。
ヒトならざる者。


「ユーバーと呼ばれている。」
「ユーバーか……。」


互いに互いの存在が同じことに気付いている。
その瞳の色に、その感情のなさに、その存在の虚しさに。

二人のやり取りを見て、いけると確信した。
この計画はいけると、ルックは思った。






その日から、とユーバーとの特訓が始まった。
特訓は時に大量の血を流し、命を削る。
そんな訓練すらも、無表情で(ユーバーは自嘲的な笑みを浮かべていたが)こなしていく二人に恐怖すら覚える。

疲れ果てて木陰で寝ていると、いつの間にか側に人がいた。

"木漏れ日に、髪の色が透けて金色に光っている・・・・"

それは人ならば綺麗だと言うだろう。
しかしはそう思わなかった。

"不思議だ。が、嫌ではない"

ルックは本を読んでいるようだ。
その細い指でページを繰る。
ふと、ルックがこちらを見る。
目を開けているのに気付いたのだろう。


「おはよう。」
「・・・・・。」


おはようと音を出そうとした口は音を出さずに止まった。
逆光で表情は見えないが、今のルックからは柔らかい印象を受ける。
それは木漏れ日の優しさの所為か……。


「どうかしたか?」
「いや……。」


なんでもない。
なんでもないんだ。
きっと、何かの錯覚だ。
そう、表情は見えていないのだから……。










next





+−+−−あとがき+−+−−+−−−
2話目っす。
支離滅裂もいいところですね……(反省中)

たぶん次で終わりです。
まあ、落ちは予測出来ると思いますが。
夏休み突入ですが、宿題多いねえ、本っ当に!!
嫌になっちゃいますよ。
楽しい夏休みをか・え・せ!!

by碧種


03.07.20