100%(カクジツ)でもなくて、0%(ゼッタイ)でもなくて



でも55%(タブン)でもない……










きっと君を、好きになる。











友達に誘われて行ったテニスの試合で、彼を初めて見た。

長身で癖っ毛で眼鏡をかけていて、人一倍大人っぽい。
それが彼の第一印象。

中学生の大会だったので、最初はコーチの先生かなにかかと思った。
でも、彼も周りの子達と同じ"中学生"だった。
周りの子達と同じジャージを着て、静かに応援をする……。
彼も周りの子達と同じ"中学生"だった。


「手塚部長。」
「何だ、越前。」


"手塚部長"と呼ばれた彼は、青春学園の男子テニス部部長だった。
初めて聞いた彼の声は、低く、心地よく響いた。
言葉では表せないような感覚に陥った。
もっと聞いていたい様な、全身に染みるような……。

その日の試合では、彼のプレーは見られなかった。
シングルス1まで回らずに決着がついてしまったからだ。
彼に興味があっただけに残念だった。





25%(オソラク)君が気になった










次に彼を見たのは通学のバスの中だった。
始発駅から乗っていたバスに、彼が乗ってきた。


「あっ……。」


その時、思わず声が出た。
幸(さいわ)い彼は気付かなかった。
スマートな動作で私の斜め前の座席に座った。
鞄から本を出して読みだす。
そんなちょっとした動きでも様(さま)になる。

本当に"中学生"に見えないな。
大学生か、下手すれば社会人にも間違えられかねない。

黒い詰襟(つめえり)が不自然に見えるくらい大人っぽい。
斜め後ろにいるから、頭しか見えない。
髪の毛は遠目で見るより柔らかそうで、手を伸ばしたくなった。


『次は青春学園前です・・・』


車内放送が入る。
彼が下りる停留所が近付いた合図だった。

残念。

正直にそう思った。
もっと見ていたかったのかもしれない。

停留所に着くと、さっと席を立って降りてしまった。
その動作一つ一つも人目を引くような感じだった。





55%(タブン)君に惹(ひ)かれてた










その日、久しぶりに大きな本屋に行った。


「・・・・・!!」


面白そうな洋書を探して、本棚に集中していると人にぶつかってしまった。


「ごめんなさい!」


相手の顔を上げてみると、そこにいたのは"中学生"の彼だった。


「っ!!?」
「こちらこそ、すまない。」


全く動揺せずに無表情で答えた彼。
なんとなく、私のことを年下だと思っているように思えるのはなぜだろう。

ビックリして固まっていると、彼の方から話しかけてきた。


「何を一生懸命探しているんですか?」
「ただ、面白そうな本はないかなぁと思って……。」


久しぶりに洋書を読みたくなって、フラッと立ち寄っただけですから……。
久しぶり過ぎてどの本が良いのかも解らないくらいだ。
高校受験以来一冊も読んでなかったから……。


「それなら、今度何か貸しましょうか?」
「え?」


願ってもない申し出。
手塚君と何かしらの繋がりを持てる思ってもいなかったチャンス。

でも、突然見知らぬ人間に本を貸そうというのもどうだろうか?

そう疑問に思った。
それを目の前に居る彼に告げる。


「知らない人間にそんな事言ってもいいの?」
「俺は知ってます。」
「!?」


驚きの事実。
彼は私の事を知っていると言う……。

どういうことだろうか?
"知っている"?
私は会った覚えがない。
どうしてだろうか……。


先輩、ですよね?」
「なんで……。」


私の名前を知ってるの?

驚きのあまり、言葉が出ない。
確かに私は彼と同じ青春学園出身だ。
でも、大して目立つような成績を上げたわけでもないし、ましてや問題なんて起こしたことない。

どうして?


「本当に……何も覚えていないんですか?」


寂しそうな声で言った彼は、僅かに視線を逸らした。
しばらくお店の中の異様な静寂さに包まれた。


「では、先輩が思い出すまで本を貸します。」
「え?」
「思い出していただけるまで待ちます。」


手塚君は理解できない私を置いて話を進めてしまう。
私の言葉を言葉を遮(さえぎ)る様に彼は言う。


「日曜日の午後4時に、この本屋の前で会いましょう。」
「ちょっ…えっ!?」
「それでは。」


すたすたと去ってしまう彼のうしろ姿を、見えなくなるまで見つめた。

謎は増えるばかりだった。


「日曜日、午後4時……。」


口に出して言ってみたことは、何故か引っかかり続けた。
何が何だかよく分からなかったし、振り回されている気がする。

でも、また逢いたいと思ってしまうのはなぜだろうか……。





73%(キット)君を好きになる















+++あとがき

また突発的ドリーム。
国光氏への愛が………。
変換少なっ!!

"きっと"とか"たぶん"の%は私が勝手に考えました。
当て字に近いので本当の言葉の意味とは、ずれてますです。
"きっと"だけ中途半端な数なのは特に意味無し。
70%でも75%でも違うような気がしたので73%〜。

最後のほうは意味不明な文章に……。
落ち着いてから手直ししたいと思います、はい。

by碧種


03.09.22



追記+++

ようやく修正できました(汗)
でもまだまだ修正できるところがありそうで怖いです(泣)

で、修正したと言う事は続きを書く気になったと言う事で……。
がんばらなくちゃなぁ……と思う今日この頃。

一年ちょっと前の自分の未熟な文章がとても恥ずかしいです……。


04.09.25