いったい……
私が何したって言うのよ?!
HAPPEN!?〜越前ver〜
今日の私は機嫌が悪い。
何故かって?
それは、こいつに聞いてやってくれ!!
「・・・・・・。」
この、私の隣に無言で座っているこの越前リョーマに!!
リョーマは朝からずっとこの調子だ。
*朝*
「おはよう、リョーマ。」
「・・・・・・。」
*授業中*
「教科書見せてくれる?」
「・・・・・・。」
*昼*
「お弁当食べないの?」
「・・・・・・。」
心ここに在らずというよりは、意識があの世に逝っていそうだ。
ヤバイよ、たぶん……。
本当に、どうしたっていうのさ!!
「リョーマ。」
「・・・・・・。」
帰りの学活が終わって、もう皆部活に行ったのに、リョーマは動かない。
これは本当に異常だ。
私が何かした訳じゃない。
だからといって、放って置けるほど私は非情になれない。
どうしようか……。
そう考えていると、教室に桃先輩が来た。
「おーい、越前……ってじゃん。」
「こんにちわ(汗)」
「越前は?」
「え〜と、それが……。」
今日一日のリョーマの様子を話す。
表情は完全に固まって、何も言わない、反応を見せない。
桃先輩も色々試してみる。
話しかけたり、顔の前で手をブンブン振ってみたり……。
「駄目だな、こりゃ。」
「やっぱり……ですか…。」
とりあえずと、桃先輩が強制連行しようとして腕を掴んで止まった。
どうしたんですかと、訊くと先輩は答えた。
「熱あんじゃねーの、越前。」
「え?!!」
「だってほら。」
そう言ってリョーマの腕をこっちに出す。
・・・・・・。
メチャクチャ熱っ!!
いったい、何があったっていうの?
こんなに熱出すなんて。
ってか、何で学校にいるの?
バカじゃないの?!
唖然(あぜん)として固まる私。
額に手をやってため息をつく桃先輩。
「・・・・・。保健室に運びますか・・・。」
「そうしようか・・・。」
保健室での診断はやっぱり風邪。
桃先輩には手塚先輩たちに連絡してもらった。
リョーマが風邪でこんなんになるなんてね。
はっきり言って、憎まれ口の一つも叩かないリョーマは不気味でしかない。
「ぅん・・・。」
「・・・・・・・。」
タオルで汗を拭いてあげる。
うなされているみたい。
タオルを当てた額を手で触る。
まだ、熱い。
「ん………。」
「リョーマ?」
起きたのかと思って、顔を覗き込んでみるが目は開いていない。
寝言……ですか?
私の名前……呼びましたよね?
「……。」
私の名前を呼びながら、左手が宙を彷徨う。
ふと思い立って、手を差し伸べる。
すると、リョーマの手がしっかりと掴む。
温かいを通り越して熱い手に右手をしっかりと握られて、もう離れられなくなった。
それで安心したのか、少しだけ表情が緩んだように見えた。
空いている左手でリョーマの前髪を梳(す)く。
「いったい何をしたのよ……。リョーマ。」
寝ているリョーマの顔を眺め続けて約2時間。
やっとリョーマが目を覚ました。
「……。」
「おはよ、リョーマ。」
「俺……。」
何をしてたんだろと言うので、朝からの様子を事細かに説明してあげた。
その後には、何で学校に来たのか説明して貰おうとしたら逆に訊き返されてしまった。
しっかり繋がれている右手について……。
「あ・・・・。」
「で、何で繋いでるの?」
リョーマの瞳は不敵な笑みを浮かべて光っている。
ほぼ完全に本調子になったらしい。
くそう。
さっきまでの寝顔のほうがよっぽど可愛かったぞ!!
「ねぇ、何で?」
「それは……自分に聞いてみたら!!」
そう言って手を離してしまうつもりだったのに、リョーマの左手がそれを許さない。
繋いだままの手を突然引かれ、バランスを崩す。
「ぅ、わっ!」
その勢いでリョーマの方に倒れる。
目を開けて、顔を上げると目の前に勝気な目があった。
それからニヤリと笑って囁く。
「答えない気なら……。」
「え?」
ふわっと口に……否、唇に触れる。
え・・・?
今、何が起きたの?
・・・・・・。
まさか!!?
「ご馳走様v」
「――――っ!!」
やられた。
完全にやられた!
病人だと思って油断してたけど、相手はリョーマだったんだ!!
「最っ低!」
涙目になりながら、精一杯罵(ののし)る。
でもそんなの効かないって、解ってるんだよね。
ホント、やられた!!
++あとがき++
やっとラストv
本当に長かったぁ(感涙)
これかいてる間、勉強が手に付かなくてやばかったです!
明日からは勉強するぞー!!
企画の大変さが身に染みました。
しばらくは企画、出来ないでしょうね。
リョーマ君は私の中で、不二君と同等の恐怖を感じる存在です。
ってか、同類です。(同族でもOK(笑))
本当にお疲れ様です。(自分にそしてここまで読んで下さった皆さんに)
これからも、よろしくお願いしますねv
by碧種
03.07.31