私が言うのもなんですが

ちょっと


怖いんですけど……










HAPPEN!?〜海堂ver〜










テニス部の応援は、はっきり言って怖い。
女の子たちがね……。

だってさあ、黄色い声とその裏にある派閥(?)争い。
手塚、不二、菊丸派を筆頭に、レギュラー+α達の派閥争いが凄まじい。
特に人気の高い人達のファンとなると、血で血を洗う争いもある。

女って怖い。

因みに私がいる海堂薫派は、少数派だ。
普通の女の子たちは海堂くんを怖いと思うらしい。
私にはさっぱり解らないけどね!

だってさ、可愛いじゃん!!(力説)

猫とじゃれてる姿なんて最高に可愛いよ。
一年のときに公園で猫を抱いているのと遭遇して以来、普通の人よりは仲良くやっている。

と、噂をすればなんとやら。

海堂くんが向こうから歩いてきました。


「こんにちは、海堂くん。」
「ああ。」


んあ"?!!
何か……おかしいよ、海堂くん?
頬が、頬が赤くなってませんか?


「何かあったの、海堂くん。」
「いや、何にもねぇーよ。」


いや、おかしい。
ってか…………怖っ!!!
怖いよ薫ちゃん!!


「海堂、。」
「あ、乾先輩。」
「あ、貞ちゃ……貞治先輩!」


ナイスタイミングです、貞ちゃん。

私は貞ちゃん(家がお隣さんなのです)にトコトコと近寄り、袖を引っ張る。
海堂くんの視線が付きまとってるけど、気にしてる場合じゃない。


「貞ちゃん。」
「学校では先輩って呼んでくれないか?」
「そんな事はどうでも良くて……。」


話を始めようとしたら、当の本人が練習に行きそうになった。


「海堂くん、ちょっと待ってくれる?」
「え?ああ。」


海堂くんを待たせて、貞ちゃんに話す。


「海堂くん、何かおかしいと思わない?」
「別になんとも……。」


ない、と言いかけてやめる。
海堂君の顔を見て、止まる。
貞ちゃんも異常に気付く。
私と目を合わせて、頷(うなず)く。
どうやら貞ちゃんが海堂くんに聞いてくれるらしい。


「海堂。」
「なんっすか、先輩。」
「風邪でも引いたか?」



ギクッ!



ん?
今、海堂くん眉が動きましたよ?

ニヤリと、貞ちゃんが笑った。(怖っ)
海堂くんの頭を固定すると、手で額を触る。


「海堂……。」
「は、はい。」


何を言い出すのだろうか?
まあ、"保健室行け"程度かな?


について保健室に行け。」
「っす。」
「え?!」


私についてですと?
貞ちゃん、貴方は何て事を言ってしまうのですか?
しかも今、海堂くんOKしちゃった?


「じゃあ、頼んだぞ。」
「貞ちゃん?」
「何だ?」


ニヤリ。


確信犯かぁあ!!!
諦めよう、人生諦めが肝心だ。


「海堂くん、さっさと行こうか。」
「っす。」


荷物を貞ちゃんに預けて、海堂くんを保健室に連れて行く。
バレて気が抜けたのか、ふらふらと歩いている海堂くん。
壁にぶつかりそうな勢いだったので、右手を握って引く。
握った手が熱い。
かなり熱ありそうだな。










保健室で熱を測る。
37.9℃・・・。

元気になったら一発殴ってやろうかしら?
気持ち良さそうに寝ている寝顔を見ると、そんな気は失せますけどね。

さあて、そろそろ貞ちゃんの所に荷物取りに行きますか。

そう思って立ち上がろうとした時、手が握られっぱなしな事に気づく。


「あれ?」


どんなに離そうとしても、海堂くんの方が握っているのだから離れない。

どうしよう・・・。
まあ、貞ちゃんに荷物は任せることにしよう。

そう決めて、椅子に座り直す。
何も出来ないから色々考えてしまうね。

今日本当は、放課後暇だから読みかけの本、読もうと思ってたのになあ。
そうそう、飼ってる猫のランを洗おうとか考えてたんだよねぇ。
海堂くん、どれくらいで起きるかな・・・。
私も眠くなってきた・・・。
そういえば、昨日、3時過ぎまで、本、読んでたっけ・・・。
ああ、ねむいな・・・。





ふと、気付いたときには夕日が保健室に差し込んでいた。
寝ちゃったらしい。
海堂くんは・・・!!


「お、おはよう。」
「っす。」


見られた!!
寝てたのばっちり見られた!!
何で起きてるの?!

私があたふたしてると、海堂くんが話し出した。


「なんか、4時過ぎぐらいに乾先輩が来て、荷物もって来たっす。」
「あ、うん。」


貞ちゃあぁぁん!!!!
何でそのとき海堂くんを起こしたの?!!
起こすなら普通私でしょ!


「で、は昨日夜遅くまで本読んでたから寝かしておけって言われて……。」
「寝かせといてくれたわけね。ありがと。」


それで、海堂くんの言いたいことは終わりかと思った。
でも、続きがあった。
熱の所為(せい)にしてしまっていいのでしょうか?
今日の海堂くんは饒舌(じょうぜつ)ですね。


……手。」
「へ?」


少し重い左手を見てみる。
左手は、きっちりと海堂くんの右手を握っていた。


「あ・・・・。」
「・・・・・。」


じわじわと顔が熱くなっていく。
海堂くんの顔も少し赤い。
何か弁解をしなくては!!
そう思って焦っても、口から出てくるのは接続語だけ……。


「こっこれは、そのっ。」
「別に・・・。」


徐々に下を向いていった顔を元の位置に戻す。
別に、何なんだろう。


「別に良いけどな。」


それはどういう意味でしょうか?
って聞いても海堂くんは答えてくれなかった。


そういう中途半端な行動されると、期待しちゃいますけど、良いですか?















○−−−○あとがき○−−−○

やっと終わりが見えてきました、この企画。
開通記念のはずがもうすでに2500HIT越えてしまいました。
閲覧者の皆様、誠にありがとうございます!

今回のターゲット(笑)はカオルンです。
ゲームS&Tとアニメで見たカオルンの赤面で大爆笑した人間です。
可愛い、可愛すぎるぞカオルン!!
あと桃色片思いと、生意気一年生を残すのみですか……。
精一杯頑張らせてもらいます。

by碧種


03.07.31