なんかさあ
嬉しいことってあるもんだよね
HAPPEN!?〜観月ver〜
「観月さんいる〜？」
「あ、さん。観月なら今日風邪で休みだよ。」
「へ？」
私は思わず声を上げた。
だって観月さんだよ？
青学の不二さんと黒さではタイマン張れるという噂のあの観月はじめだよ？
「ソレハドウイウジョウダンデショウカ？」
「いや冗談じゃないよ…。」
そりゃあ木更津君が嘘を吐くとは思ってないけどね……。
だけどさあ、事が事でしょ。
観月さんがまさか…ってのが本音。
「冗談だと思うんだったら寮の観月の部屋に行ってみなよ。たぶん寝込んでる筈だから。」
そう言われて観月の部屋に行くことにした。
無事に帰れるといいんだけど……。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
コンコン
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
がちゃ
「……さん？」
戸をノックしてしばらくすると観月さんが出てきた。
私が来るとは思っていなかったのか、呆然としている。
顔が少し赤い……やっぱり熱があるみたいだ。
「観月さん、大丈夫？」
「あ……ええ、何とか。」
あ、本当に苦しそうだ。
こんなに苦しそうな観月さんはじめて見たかもしれない。
とりあえず、寝たほうがいいと思うんだけどさ……。
「観月さん。」
「はい、何か？」
それは本気で言ってるのでしょうか？
つらそうな顔してるのに、何で寝ようとしないのかな。
「病人は寝たほうがいいと思いますよ？」
「そうですね。」
何でこう、不毛な会話が続くのかしら。
だってほら、こう話してる間も息が辛そうなのに。
「そうですね。じゃなくて、人に抱きついてる暇があったらベットで寝てください。」
「でも、さんと居るほうが一人でいるより気分がいいんですよ？」
「・・・・・。」
忘れてました、この人が腹黒いことを。
病気になっても変わらないもんなんですね……。
観月さんに見えないように小さくため息を吐く。
そういえばこういう人だけど、性格はアホだけど……。
だからこそ本当は思いつめていたり、本当は寂しかったりするんだろう。
「いくら楽だからって、病人は病人なんですから寝ていてください。」
はベリッと音がするくらいの勢いで観月の腕を引き剥がした。
まったく……。
この人は大人なんだか子供なんだか……。
はまた溜め息を吐いた。
折角（せっかく）見舞いに来たというのにこんな調子なんだから、ため息も出る。
観月さんをベットに寝かせた。
こちらを恨めしそうに見ているのは気のせいだろうか？
“でも本当はね、甘えてくれるのは嬉しいんですよ。”
と心の中で呟いて布団をかける。
氷枕を頭の下に敷く。
薬とお粥の用意をして……と忙しく動き回る。
それをじっと見つめている観月。
「さん。」
「はい。」
観月にお粥を食べさせようとしている手を止める。
少々困った様な顔で観月は言う。
「僕はもう平気ですから……。」
「だめです！」
今度はに何かを言おうとした声を止める。
真剣な表情では言う。
「マネージャーの観月さんがいないとテニス部の皆が困ります。」
「・・・・・・・・」
の言った言葉に観月はあからさまに落胆する。
テニス部の奴らなんて困らせておけばいいんですよ。
本当にさんはそれだけしか思っていないんですか？
「それに……。」
「？それに……なんですか？」
その他に何かあるのなら期待してもいいでしょうか？
マネージャーとしての観月ではなく個人としての観月。
君が必要としているのがそれならいいのに…。
「それにっ……。」
「？」
「つまらないじゃないですか。」
期待しながら待っていた観月は、的外れな返答にどう答えれば良いのか分からない様だった。
つまらないですと言いましたか？
それはどういう事なんでしょうか？
聞かずにはいられない。
気になる、気になる……。
「何がですか？」
「観月さんがいないと、私がつまらないんです。」
観月は考え込んでしまった。
つまらない……？
さんが僕のことをからかう訳でもないでしょうし、だからと言って何か面白いことを言うわけではないですし……。
「それはどういう……。」
「分かってくださいよ。」
顔を赤らめて俯（うつむ）く。
観月はその様子を見て、頭の上に"？"を浮かべていた。
そして考えた結果、観月が行き着いた答えは……。
「んふ。」
思わず笑みがこぼれるとはこういう事を言うのか。
観月は口の端をあげて、ベットから這い出た。
「では、こういう事をしても良いという事ですか？」
「へ？」
そう言うとの頬に手を当てて顔を近づけた。
「・・・・・・・・・・・」
「おや、こういう事ではなかったのですか？」
は目を丸くしてさっきまで観月が触れていた所に手を当てボーっとしていた。
いっ今何が起こったの？！
「みっ観月さん？！いっ今何をっ……。」
「何を、と言われましてもね。」
こんな関係も悪くない……、と思う。
そう、きっと悪くないはず。
○○○○○あとがき○○○○○
復活一作目……。
キリバンゲッター向日さんに捧ぐ、観月夢。
なんじゃこりゃ！！
本当に駄作です。ゴメンナサイ！
リクエスト者によるキリバン作品への注文（ここをこう直して欲しい！など）は受け付けておりますので、どうぞお申し付けください。
あ、甘い？書いてて苦しかった。
観月さんってこんな感じでよいのでしょうか？
何かが違う気がする……。
観月さんファンの方、どなたでもよろしいので観月さんはこんなのだ！というのを教えていただけると嬉しいです。(修行します。)
BY碧種
企画、残り6人
03.06.19