今日の奴のアクロバティックプレーはキレがない気がする。
HAPPEN!?〜菊丸ver〜
今日もうだる様な暑さの中、むさ苦しい男どもが元気にテニスをしています。
私はマネージャーなのでタオルやドリンクを配っています。
「はい、部長。ちゃんと汗拭いてくださいね。」
「ああ。」
「大石君もどうぞ。」
「さん、ありがとう。」
部長はいつもどおりクールです。大石君もいつもどおり優しいです。
でも他はといえば……。
木陰で休んでいる一年生発見。
「はい、リョマ。」
「リョマってなんすか。」
呆れたように聞こえるが、顔はかなり怒っている。
「ほら、暑さで短気になってるから"ー"は無し。」
訳分からん。
これ以上からかって何かされるのは嫌だから逃げる。
「………(怒)」
後ろからの目線が痛い。
二年生’sは喧嘩(けんか)をしている。
が、止めて巻き込まれるのは嫌だから放っておく。
でも一言だけ攻撃してやろう。
「あー、喧嘩(けんか)なんて暑苦しい。」
「「なんすか!?先輩?!!」」
ハモった。
仲良いんだか、悪いんだか。
フェンス付近でデータの整理をしている、乾を発見。
「乾もタオルどーぞ。」
「ああ、ありがとう。」
笑顔(?)で答える乾。
こいつもいつも通りか。(そういえば)
「暑いね。」
「確か例年よりも気温が高いそうだ。」
さっ…流石データマン。
タカさんと不二君も普通だね。
「タカさん、不二君お疲れ〜。」
「あ、さん。ありがとう。」
「いつもご苦労様。」
「いえいえ。」
英二は……、英二は……、調子が悪そうだ。
「いつも元気な猫が、今日はどうしたんだ?」
「あ…、……。」
妙に静かだ。(猫って呼んでも怒らないし。)
ってか、顔赤くないですか?
英二にタオルとドリンクを渡して、隣に座った。
「お疲れさん。あと少しで休憩終わりだよ。」
「ああ、うん。」
心なしか反応が薄い。
いや、かなり反応がない。
「始めるぞ。」
部長の凛(りん)とした声が響く。
その声と同時に、部員たちがコートに戻っていく。
「んじゃ、行ってくるにゃ。」
「うん、気を付けて。」
英二もコートに戻っていった。
しばらくは何事もなく時間が過ぎていった。
しかし、私がドリンク用の冷水(3リットル)を持ってコートの横を通ると。
「エージ!!」
突然大石君の叫ぶ声がした。
英二がどうかしたのかと思って、コートに駆け寄ると膝(ひざ)と左掌からから流血した英二が倒れていた。
ダブルスの試合をしていたらしく、反対側には不二君とタカさんがいた。
「えっ英二!?大丈夫?」
「?!だっ大丈夫にゃ!」
すくっと立ち上がろうとした英二は、よろけて倒れた。
し・か・も、私のほうに。
だから、いい加減にしなさい!!って怒鳴ろうとしたんだけど……。
「英二?…!!すごく熱いよ?!熱でもあるんじゃ……。」
「そっそんな事ないにゃ!」
一生懸命立ち上がろうとする英二だけど、結局私に寄りかかる。
そこに口を挟んだのは大石君だった。
「エぇ〜ジぃ〜〜。人があれほど休めって言っただろ〜〜?」
すっごく暗ぁい空気を背負って出てきた大石君は、地獄の底から聞こえるような声を出していた。
英二も周りの部員もわずかに怯えている。
「おっ大石、怖いにゃ。」
でもそんな事より、人に寄りかかったままっていうのはどうかな?
英二君。
とりあえず保健室に運ぼう、と言って大石君は英二に肩を貸した。
「そういえば、大石君は英二の事知ってたの?」
「ああ、こいつ朝から調子悪かったんだ。」
「それは言わにゃい約束だったじゃん!大石!!」
病人のくせに騒がしい英二は無視して、大石君は続きを言ってくれた。
大石君の話によると、英二の体調は相当悪かったらしい。
なのに英二が"今日は何があっても部活に出るの!!"って言って聞かなかったんだとさ。
これで今日のプレイのキレのなさ等の説明がつく。
「酷いにゃ!大石!全部ばらすなんて!!」
高熱が理由でベッドに寝かされた英二は、ギャンギャン騒いでいた。
傷は全部大したことはなく、問題があるのは熱のほうらしい。
「エージが強情(ごうじょう)張るのが悪いんじゃないか?」
「なんだよ!大石のバカ!!」
一通りの言い合いが終わると大石君は練習に戻ってしまった。
保健室には私と、英二と保健の先生(たまにいなくなるが……)
英二の寝てるベッドの隣に座ってるんだけど、英二は完全に拗(す)ねている。
何回話し掛けても返事してくれない。
「英二〜。え〜じ〜。」
本当に、何で無反応なんですか、菊丸英二クン?
いい加減こっち向いて欲しいんですけど。
反応しないって分かってても聞きたいこと聞いちゃえ!!(←ヤケクソ)
「英二ぃ〜。何で今日の練習は絶対出なきゃいけないの?」
特別何がある訳でもない、ただの水曜日。
風邪なのに無理して出るほどのことは無い気がする。
「が来るから。」
「え?」
ボソリと英二が呟いた。
けど、聞き取れなかった。
すると英二がベッドから起き上がって叫んだ。
「が来るから!!」
英二はそう言ってすぐに布団に潜った。
「え?」
それはどういう意味でしょうか?
今日は水曜日。
青学のマネは週三日の当番制だ。
私の担当は、日曜日・月曜日・水曜日……。
今日は……水曜日?今日は私の担当の日?
「え?えっ英二!?」
困るんですけど。
そういう中途半端な言葉って。
どう取ればいいのでしょうか、今の言葉は。
何か、よく分からないけど……。
「それは、告白と取っても良いんでしょうか?」
リアクションはないけど、そういう事にしておこう。
+++++あとがき+++++
(え〜とBBSで一昨日までには更新すると言いつつ、遅くなってしまいました。誠に申し訳ございません。)
企画3番目にして既に本来の目的からずれているような………。
読んで下さった皆さん、ありがとうございます。
いつの間にか700HITも越え、何回か来てくださっている方もいらっしゃるでしょう。
嬉しい限りですね。天にも昇る気分です。
あと、青学ろっ6名?+みっ観月さん?
が…頑張ります。精進します。
BY碧種
03.05.22
+*+*+反省会+*+*+(テストver)
碧種「ごめんなさい。訳分かりません。」
菊丸「謝る気はあったんだ。」
碧種「当たり前でしょ。テスト一週間前突入だし、キリリクも来たし……。嬉しいやら悲しいやら。」
菊丸「感想もらえるだけで嬉しいと思うんだにゃ。」
碧種「そうっすね。何で今日に限って、そんな正論を言うかな菊猫は。」
菊丸「べっつにぃ。どうでもイイじゃんそんな事。それよりも、こんなヘボ文読んでくれてありがとうにゃ。」
碧種「作者からもお礼を言わせていただきます。さんありがとうございました。」