俺ってくじ運わりぃよなぁ
わりぃよ……
はるのさいてん
手元にある紙に書いてあることを見て固まる。
「こんなんありかよ……。」
借り人競争で、1位を取るぞと意気込んで中間地点のくじを引いた。
勢いよく引いて中を見ると、とてもじゃないけど簡単に行かせてくれそうにない内容だった。
「マジかよ〜〜。」
「うっわ……ありえねぇ……。」
周りからも同じ様な声が上がる中、俺は目的の人物を探す。
右サイドの応援席を見渡して、左サイドを見る。
今度は本部を見てようやく見つけた。
「〜〜!!」
「え?」
俺の声に驚いてが振り向いた。
片手にくじを持って、もう片方の手を彼女に差し出した。
「一緒に来てくれ。」
「ああ、借り人?」
「頼む!!」
両手を顔の前に合わせて頼み込む。
ちらりと相手の表情を伺(うかが)う事も忘れずに。
盛大な溜め息が零れた。
「仕方ないなぁ。」
「さんきゅ!」
そういうが早いか、俺は彼女の腕を取って走り始める。
コースに戻ってゴールまで一直線に走った。
『おっと、第一レース、1位の選手がゴールします!』
アナウンスが入ると、応援席が盛り上がる。
大歓声の中ゴールした。
「ありがとな。」
「いえいえ、1位おめでとうございます。」
ゴール地点で軽く言葉を交わして、別れる。
握り締めた紙の上に書いてあった文字を彼女が知ることはない。
『会場に居る一番大切な人』
+感謝会+
碧種「桃城武君、8位入賞おめでとうございます。」
桃城「なんか、喜んで良いのか悪いのかよく分からねぇ順位だな。」
碧種「名前も出てないキャラも居るんだから、そう言うな。」
桃城「んー。とりあえずありがとな。も俺に逢いに来てくれてありがとう。」
碧種「桃城君、とりあえず感想を。」
桃城「なんつーか……、不完全燃焼?」
碧種「誰よりも私が自覚しておりますよ(泣)」
桃城「まあ、もっと頑張ってくれよな。」
碧種「頑張りますよ……。さん、こんな駄文を読んでくださってありがとうございました。」
桃城「んじゃ、またそのうち逢おうな。」
04.11.02