暗がりでいまいち見えない表情
泣いていると思ったのは
俺の思い込みか?
へいすてぃー・じゃっじめんと
「お疲れ様です。」
「ああ。」
校門まで行くと、いつも通りが待っていた。
寒そうにしている手をとって歩き始める。
いつになく無言に歩いていた。
ふと見上げると冬間近で星が綺麗に見えた。
「あのさ……。」
「何だ?」
のほうを振り返る。
泣き笑いのような顔をしているが居た。
「おめでとう。」
「何がっ……。」
「コンヤク、おめでとう。」
僅(わず)かに強調された言葉の意味が分からない。
コンヤク……今訳、近訳、………婚約?
見に覚えのない単語が浮かび上がる。
少しだけ聞き覚えのある、ただ自分には関係のない言葉だ。
「婚約?何の話だ?」
聞き返した瞬間。
通り過ぎた車のライトに照らされたの顔に、透明な涙が見えた。
不覚にも、綺麗だと思った……。
睨み返すような強い視線で見つめてくる。
握ったままの手が、どこか遠い。
「したんでしょ?どこかの社長令嬢と。宍戸と向日と忍足が言ってた。」
「あいつら……。」
思わず頭を抱えた。
目の端に、俯(うつむ)くが見えた。
どうやら、勘違いされているらしい。
どっかの社長令嬢と婚約したのは俺の親戚の奴だ。
電話でその披露宴の話をしていたのを勘違いされたんだろう。
「だから……。」
「ばーか。」
俺の声にが顔を上げる。
思いつめた表情をしたに言い放つ。
「俺がお前以外と婚約なんかするかよ。」
暗がりで
ふっと明るくなるの顔が見えた
+感謝会+
碧種「跡部景吾さん。6位入賞おめでとうございます。」
跡部「コレくらいは当然だな。」
碧種「相変わらず自信満々ですね(棒読み)」
跡部「そう言うお前は、相変わらずの贔屓(ひいき)っぷりだよなぁ。」
碧種「人間早々変わりませんぜ、跡部さん。」
跡部「ほう……。だから俺はいつもこんな扱いなのか?おい。」
碧種「……そんな感じですかね。」
跡部「まあ、今回はコレでもいいが……次はどうにかしろ。」
碧種「善処しますです……。」
跡部「。今日はありがとうな。……また来いよ。」
04.10.29