岳人とが一緒にいてた時点で
気付けや
俺
あいろにー
ぱーんと小気味のええ音が響く。
その音源は岳人と。
「優勝おめでとう!」
「やっぱすっげーなぁ、侑士。」
「そうだよねぇ……。まさか本当に優勝しちゃうなんて。」
クラッカー片手に、楽しそうに話しよる岳人と。
せやけど、その顔は笑いを噛み殺しとるようや。
俺はすでに乾き笑いしか出できぃひん。
何でって?
そのただ原因は一つや。
それは……。
「だって、浴衣美女コンテストだよ?」
「司会も気付けってのな。」
「めっちゃ楽しそうやなぁ?」
女もんの浴衣着せられて、突然ステージに出されたんが一時間前。
優勝が決定したんが10分前。
そっからと岳人を見つけるまで数分。
そんで今に至るっちゅーわけや。
「うっわー、その格好で怒っても迫力ないし。」
「喜んであげてるんじゃん。おめでとーって。」
無邪気にそう言うた顔に、どきりとしたんを誤魔化す。
長い一瞬、行動が止まった。
表情は引き攣(つ)ったまんまで言葉を返した。
短(みじこ)う、不自然にならへんように。
「嫌味か?ソレ。」
「まあまあ、かわいいアイロニーって事で。」
思わず盛大な溜め息を吐く。
そこへ、岳人がアホな一言を溢す。
「アイロニー……って、なんだ?」
もう一度溜め息を吐いて、明日からのことを考えた。
当分は……
このネタでからかわれるんやろなぁ……
+感謝会+
碧種「忍足侑士君。4位入賞、おめでとうございます。」
忍足「あんがとさん。も来てくれて、ありがとな。」
碧種「はぁ。忍足君で二人目ですが、何か言い残す事は?」
忍足「何か、いっつも俺報われへんやん?たまにはもっとラブロマンス的な展開、欲しいと思わん?!」
碧種「……考えさせていただきます。」
忍足「自分は俺が可哀そうや思たことあらへんの?」
碧種「微かにはあるよ、うん。ただ、関西弁が似非(えせ)になるからねぇ……。」
忍足「もっとラブな展開を頼むで!」
碧種「う〜ん……。了解です。」
忍足「次こそは、ラブラブしような、。」
04.10.26