君の笑顔がそれ以上に嬉しくて
よかったと思ってしまう
なつのていばん
「ね、大石君。」
「なんだい?」
ちょっと下から無邪気に見上げてくる視線。
俺の隣に居るのは浴衣姿が眩しい、クラスメイトのさん。
クラスのメンバーと夏祭りへ行く事が決まったのは数日前で、部活が終わって合流したのは一時間前。
そこで何故かくじ引きで男女一人ずつに分かれて行動する事になった。
「あれで勝負しない?」
「え?」
笑顔で指を差した先には、射的の屋台。
「……射的?」
「いざ!尋常に勝〜負っ!」
「え、え?」
腕を引かれるがままに連れて行かれる。
300円で5発の一発勝負、と訳の分からないことを言われて代金を払い位置に付く。
そういえば、勝負って何か賭けるのか?
「よーい、始め!」
思考をめぐらせている間に、さんの声が掛かる。
ハッとして打ち始めた。
「おめでとう、君の勝利だ大石君。」
「ああ、うん。」
「5発中4発当たりだもんね……。あー、悔しい!一発差だ。」
「さんもすごいよ。」
彼女は、はにかむ様に笑い、ありがとうと言った。
「さて、勝者大石君の言う事を一つだけ聞いてあげましょう!」
唐突に言われたその言葉。
俺は片手を彼女に差し出した。
きっと誰も見ていないと
自分に言い聞かせながら……
+感謝会+
碧種「大石秀一郎さん、9位タイ入賞おめでとうございます。」
大石「あ、どうも。」
碧種「地味〜に票数を稼いでここまで来ましたが……。まぁ、何か一言どうぞ。」
大石「えーと、その、投票してくださった皆さん、そして。本当にありがとう。」
碧種「大石さんらしいコメントありがとうございます。」
大石「いや、他に言う事が見つからなくて……。」
碧種「他の人々は自分の要望ばかり残していきましたから、ねぇ。」
大石「……。俺に言われても……。」
碧種「あ、ごめんね。青学の母大石さんについつい頼りたくなってしまうよ。どう手懐(てなず)けたんですか?」
大石「そんなこと聞かれても……。」
(キリがないので強制終了)
大石「、いつも支えてくれてありがとう。本当に感謝してるよ。」
04.11.15