おまけ+ショートストーリー

――+――「これって……」――+――










「蛮ちゃん。」


何かを訴えかける目で銀次は蛮の顔を見上げた。
二人はさっき仕事で、ちゃんという女の子を奪還してきたばかりだった。
収入はかなり多く文句なしの仕事だったはずだ。


「なんだよ銀次。しけた顔して。」


銀次の顔はどことなくシュンとしている感じだった。
いつもの元気さは今の銀次にはない。


「今回の仕事ってさあ。」
「ああ。」


何にも文句の付け所がないはずだと、蛮はそう思っていた。


「これって……ただの誘拐じゃない?」












「あ……。」





そういえばそうだ。
確かに以来の名目は"奪還"だが、人の家から人間を攫(さら)って来てしまえば"誘拐"とも言える。
要するにただの犯罪屋ということになってしまう。


「銀次。」
「何?蛮ちゃん。」


深刻な顔をして話しかけてくるので、何を言うのかじっと蛮の顔を見た。


「とりあえず……。」
「うん。」
「今回のことは忘れろ。」
「え?」


どういうことでしょうか?と思って聞くと蛮は。


「依頼人の依頼どうり動いただけだ!気にするな!!」
「ええーーー!!そんなんでいいの?!」
「良いんだよ。」





こうして、新宿の夜は更けていく。










+―――+あとがき+―――+
おまけssです。
このネタはだいぶ前からあったのにupされていなかったモノです。
お蔵出し、というやつでしょうか。
碧種の気まぐれで出てまいりました。
今後もこんなネタはあるかもしれませんね。
では、これからもよろしくお願いします。
by碧種


03.07.12